心匠セラピスト養成講座では、一通りの学びを終え筆記・実技の審査を通過された方に「心匠セラピスト」資格を付与しております。そして、更にその後も継続して学び続け、高いレベルのカウンセリング力を認められた方にのみ上級技能者である証として「心匠セラピストシニア」を認定させていただいております。
今回は、その二人目の認定者となられた仲谷史子さんをご紹介させていただきます。
文章の基礎から小説家輩出までを手掛ける「心に響く文章講座」を主催
20代から心理学を学び、社会人になってから大阪文学学校にて文章の実力を磨かれていた仲谷さんは、当講座を受講される前から、既に複数の文学賞などで上位入賞・入選等を獲得され、実力を揮っておられました。
現在は、5年前に開講し、既に250名以上の修了性を輩出されている「心に響く文章講座」を主催しておられます。そこでは基礎から小説家志望の方までが通われ、特に人間心理を深く理解していくことができる心理学的な文章講座であることが、文章力養成を目的とする多くの講座とは異なるところ。
そんな彼女に、心匠セラピスト養成講座を受けた経緯や価値、今後の展開・抱負などについて聞かせていただこうと思います。
受講動機は神がかったカウンセリングの秘密を知りたかったこと
先ず、心匠セラピスト養成講座を受講された動機などについて教えていただけますか。
人の「心」について興味があり、二十代の頃に関西カウンセリングセンターで来談者中心療法を学びました。その後、結婚や子育て、そして小説の学びに没頭しておりましたが、47歳より再び心理の勉強会などに参加していたところ、上野大照さんに出会い、鋭い切れ味とは裏腹にぬくもりのある話をされる雰囲気に特別なものを感じていました。一年後に喫茶店で偶然鉢合わせ、縁の深まりを感じ、現在開講されている「心を学ぶ講座」の前身となったコミュニケーションについての講座を受講しました。そこで、人々のあらゆる問題は「心」の内側だけでなく、人間関係や社会のシステムが大きく影響していることと、その部分に焦点をあてる心理療法があることを知りました。
上野大照さんは、心の内側と外側の、いずれにも精通しておられ、カウンセリング場面は当時の私からすると神がかっているように見えました。なぜこんなにも、私や人々が対話により変化していくのか。その秘密を知り、身につけたいと思ったのが、養成講座を受講するきっかけでした。
自分の経験と受講の学びが一つになり文章の専門家として生きることに
実際に学んでみると、どうだったのでしょうか。
養成講座ではたくさんのことを学びましたが、その中でも特に印象に残ったところがあります。それは、周囲の人に合わせた仮面的な心理を剥ぎ取り、裏側の顔をいとも簡単に引き出し、私を含む本人に「隠された能力」を引き出していくもので、まさしく手に汗握る授業でした。空いた口を塞ぐのに手間取るほど、深く納得させられたことを思い出されます。今思えば、私の新しい人生が開くきっかけだったかもしれません。
講座を修了して2ヶ月が過ぎた頃、上野大照さんより、私が小説を学び書いていたことを知ってか、小説と心理セラピーを関連させた単発講座をしてみないかと勧められました。
小説には人を癒す力や気付きを与える力があることを、小説を学んでいた時期になんとなく解っていました。そして、試しにテキストを作っているうち、小説と養成講座で学んだことが、見事に繋がっていきました。
作家たちが無意識のうちに使う技術が、心理を探求した先にある叡智らしきものに結びついたのでした。
単発講座を受講した方々より評価され、その2ヶ月後に、小説家たちの技術と心理学の統合講座「心に響く文章講座」を開講することになりました。
文章を書くことそのものがセラピーとなるよう、講座の中で私は、心匠セラピストシニアとしての姿勢や対話を心がけています。
私自身についても、養成講座やその後のアドバンスコース、研究コースと続けて学んでいく中で、より一層生きやすくなり、軸ができてきたと感じています。本来の自分を取り戻しつつ、新しい自分も生まれている、その連続に終わりはなく、通っただけ体験させてもらえるのが、大照さんが主催する講座の魅力なんだと思います。
文筆家だけでなく文章によるセラピー創成について研究中
2つの専門知識が重なりあって現在の仲谷さんがあるのですね。そんな学びを得られた仲谷さんですが、現在、そして今後のご活動について教えて下さい。
文章講座受講生達との対話を通じ、文章を書くことによって、それを書いた人の人生を新しく創造できるのではないかという研究をしています。ストーリー(人生)の中にある言葉にできないものが、人々のアイデンティティに影響し心を深く癒すという研究です。このことで、日本ブリーフセラピー協会の認定セラピストの一人として、2018年10月に協会の学術大会では「小説に存在する行間の効力」を研究発表させていただきました。
「心に響く文章講座」は開講以来5年が経ち、卒業生250名、講座回数は500回を越えました。開講当初は、小説家たちの技術と心理学を交えたコラムや集客文章、そしてエッセイを中心にお伝えしていましたが、現在はアドバンスクラスや研究クラスも開講し、小説も教えるようになりました。
2018年に100人共著コンテストでエッセイを出品し、二回連続で最優秀著者賞を受賞したことがきっかけとなり、執筆活動を開始し、文芸誌「月刊ふみふみ」を毎月出版しています。文章講座卒業生の方々も寄稿し、コラムニストやエッセイスト、そして作家として活躍されています。
心匠セラピスト養成講座の学びが、ご自身の専門分野である文章による活動に拍車をかけたことになったわけですね。文章講座受講生の方々も、多くのことを学んでおられると推察されます。文章に対する専門技能がセラピーとして確立される時がくることを期待しつつ、これからの益々のご活躍を心より願っております。
仲谷史子さんの活動情報
- URL
- 心に響く文章講座(Facebook)
- 共同運営のキャプロア出版による出版物
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受講相談について
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