
オフィス・コミュニケーションズの心匠セラピスト養成講座では、修了者限定の上位コース(アドバンスコース)を終え、心匠セラピストシニア資格を取得された方を、ホームページで紹介させていただいております。
新時代のワークライフバランス
その7人目となる今回は、鉄道会社にて運転士を長く務めてこられ、ご自身のキャリアに悩みつつも、学びを日常生活や仕事に取り入れ、ユニークな人生を手に入れていっている宮本良久さんを紹介させていただきます。
男性として難しい選択をしただけでも価値が大きいと思う中で、女性とはまた違う角度からのワークライフバランスを実現している稀有な存在でもあり、今またそこから新しいキャリア形成にも成功しておられます。
「先ず、こうしたキャリアをつくってきたことに対して、ご自身の思っているところを教えていただけませんか」
キャリアとは、仕事だけじゃなく、生活も含まれていると思っています。
これは自分だけの話ではなくて、人が生きていく上で重要なライフイベントに出くわしたとき、一人では決断したり、選択に迷う場面があるのだと思うんです。その時、どの選択が正しいのか、間違っているのかを二者択一で考えてしまいがちですが、1人の人間として、そこには意思も感情もあるし、それらを軽く扱うことは出来ない。背景にある想いや経験について、対話をしながら、本人が望むキャリアを支援したいんです。きっと、一本道のありがちなキャリアではない生き方を選んできた自分だからこそ、そう思うようになったんだろうと感じています。
ご自身のキャリアについてだけではなく、そうした人への想いとなっていることがすごいことですね。それでは、この講座を受けることが人生にどんな影響をつくってきたのか、お聞きしていきたいと思います。
自分なりの何かを掴みたかった
「心匠セラピスト養成講座をお受けになった経緯をお聞きできればと思うのですが」
実は最初、自分が受けた文章講座の仲谷文子先生から、「とにかくこの人はいいから」とやたら勧められたことがきっかけで、心を学ぶ講座対話編の1回目を単発で受けたのが最初でした。
当時はとにかく「文章がうまくなりたい。人に伝わる文章を書いてみたい」と思っていて、鈴木あいさんの方眼ノートの講座を受け、仲谷文子さんという名前がよく出ていたんです。方眼ノートは、わかりやすく、自分の考えを整理して人に伝えることにも使いたいと思っていました。
振り返ってみると、動機は人に一目おかれたかったのかもしれません。職業的にも、社内で募集があった選抜試験を受けるかどうかの話が少し前(2・3年前)にあって、家庭全体のバランスを優先し、選抜試験を受けない選択をしました。このことは、自分だけのキャリアとして見れば、何かつまらなさみたいなものがあったようにも思います。だからこそ…ということなのか、そこまでハッキリしていたわけでもないのですが、自分なりの何かを掴みたかったんだと思います。
最初の対話編の授業を受け、そこでは日常生活や仕事でのモヤモヤを相談し、対策を教えてもらいました。それをやってみたら、悩みが全くなくなったわけではなかったのですが、たしかに状況が変わり、「なんで変わったのだろう…」と不思議さを感じていました。
そこから心理編(自己の旅)も受けて、その都度日々のモヤモヤを相談し、教わったことを実践してみると、また起きることが変わってくるということが繰り返されました。
明らかに生きやすさを手に入れ始めていることがわかって、心匠セラピスト養成講座に、当時はなかった平日コースを作ってもらいたいと希望し、用意してもらって講座に入れたんです。
試せば成果の出る学びの連続
「受けてみたら、どんな変化があったんですか?」
わかりやすい変化としては、日常生活や仕事でのモヤモヤ、イライラが減りました。でも、何かすっきりしない部分も残りました。そんな時は、また「次の授業で相談してみよう」と思えて、授業がお守りのようなものになっていたように感じています。
仕事でも、大きなミスをしていたことがあったのですが、上司とそのミスの再発防止の話をするとき、どうやって上司と対話すべきなのかなども役立ちました。
起きたことが全て学びになっていくような体験だったんです。
その中でもすごく自分が変わったと思ったのは、オプション講座だったエリクソン催眠講座を再受講したときです。大照さんが相談者との対話で、どんな言葉を紡いでいるのかを尋ね、実際の対話記録をつかって解説してくれたんです。
教科書には載ってない言葉がそこにあって、「それしんどいね」とか、さりげなく相手が感じている感覚を、こちらが拾い上げるような言葉が入っていました。
「人が言葉に出来なかったことが、言葉になっていく。」
そんな感覚だったと感じています。
深く潜ることもできるし、浅いところを泳ぐこともできる。
ここから職場の後輩との会話が変わりました。今までは私も少し身構えていたこともあったのですが、相手の感覚を私が言葉にしてみたら、自然に相手を気遣う言葉から会話が進む場面が増えていったんです。
対話には具体的な相手の観察ポイントがあって、それを言葉にすると相手の距離が、忍び寄るでもないのに縮まり、短期間に深い話ができるような…。
そんな、試せば成果の出る学びの連続でした。
さらなる何かを見いだせる人を目指して
「こうした学びを、ここからはどう活かしていきたいと思っておられるんですか?」
実のところ、こうした学びの連続があったにも関わらず、何かのビジネスで大成功しようと思っているなどの話に、今のところは繋がっているわけではありません。
ただ、こうした私の「人と心の探究」や私の「話す言葉」の変化に気づいてくれる上司にめぐり合い、一人で仕事することが中心だった運転士から、話を聞くことから人の可能性を見出し、支援できるような道を歩み始めています。
また、学びによって、どういう人間になっていきたいのかという点での明確な目標を持つようになり、これまでの自分ならば参加しなかったような新しいコミュニティにも所属したりしています。
ここで明言はできませんが、これまでなら決して話せないような立場の方と話すような機会もありました。そういう方と話せる話題を持てるようになったのも、ここでの大きな成果です。
人が人と繋がる価値を以前に増して更に感じるようになってきているからこそ、皆が、
「人の話をずっと聞き続けたい」
と思えるような話をできる人になりたいと思い、地域やビジネスコミュニティなど、小さくも外の世界へ出るようになってきています。
起きてることの関係性を捉え、本質を並べ、ちょっとスパイスになるような言葉を加えることで、相手との関係でも、「この人は自分にさらなる何かを見出してくれる」と思ってもらえるようになりたい。
当たり前だと思って知らなかった世界に、彩りをふっと加えるような人物になっていきたいと思ってます。
無料メルマガでのお知らせ
講座、イベント、コラムなどの情報は、月1~2回程度の無料メールマガジン「こころの仕組み」にて配信させていただいております。どうぞご登録ください。